チャンピオンズリーグでのドイツ勢の快進撃が注目される中、密かにヨーロッパリーグの決勝の対戦カードも決定した。そのカードは、ベンフィカ対チェルシー。共にチャンピオンズリーグのグループステージで敗退し、ヨーロッパリーグに回ってきたチームだ。今回はこの試合の展望を予想していく。
ヨーロッパリーグの決勝は現地時間5月15日、オランダはアヤックスのホームグラウンドである、アムステルダム・アレナで開催される。
さて、そのことを踏まえながら両チームの今後の日程を見ていこう。
ベンフィカ
5月6日 エストリル(H)
5月12日 ポルト(A)
5月15日 チェルシー(EL決勝)
5月19日 モレイレンセ(H)
5月26日 ビトリア・ギマラエス(H)
チェルシー
5月6日 マンチェスター・ユナイテッド(A)
5月9日 トッテナム(H)
5月12日 アストンヴィラ(A)
5月15日 ベンフィカ(EL決勝)
5月19日 エヴァートン(H)
両チームともに、リーグ戦での重要な大戦が決勝の前に残されている。
ベンフィカはドラガォンでのポルト戦。これは現在スーペル・リーガでトップを走るベンフィカにとって最大の山場であり、ここで1ポイントでも持ち帰ることが出来ればリーグ優勝に大きく近づく。ベンフィカもポルトも未だにリーグでは無敗であり、フルメンバーを投入しての激戦となるのは間違いないだろう。
一方でチェルシーは現在、来季のチャンピオンズリーグ出場権争いの真っただ中にいる。その中で6日のユナイテッド戦、そして9日にはスパーズとのチャンピオンズリーグ出場権争い直接対決。この2試合はどうしても落とせない試合だ。さらに、12日に戦うアストンヴィラも現在残留争いの渦中におり、気を抜くようなことがあると痛い目にあうだろう。
このように、両チームとも万全の状態でアムステルダムに乗り込めるとは言い難い状況だ。
まさにチーム力が問われる決勝戦となる。
では、どのような試合となるか予想してみよう。
過去の対戦は昨シーズンのチャンピオンズリーグ準々決勝での2度。
いずれもチェルシーがベンフィカを下している。
試合はチェルシーがボールを支配しながら進んでいくと予想する。ヨーロッパリーグでは絶好調のフェルナンド・トーレス、そしてここ最近ロングシュートでのゴールを量産しているダビド・ルイスがベンフィカのゴールを脅かす存在となりそうだ。
一方でベンフィカの攻撃陣もチェルシーのディフェンスを翻弄するだろう。カルドソ、リマの2トップは間違いなく脅威であるし、ガイタン、サルビオ、ペレスが並ぶ2列目もクオリティが高い。
両チームに共通する問題はディフェンスだ。ヨーロッパリーグの決勝トーナメントでのクリーンシート数がベンフィカは8試合中2回、チェルシーは8試合中わずか1回とディフェンスには不安を抱えている。決勝という舞台だけあり、打ち合いになる可能性も十分に考えられる。
あとはコンディションの差だが、これはほぼイーブンと見ていい。両チームとも過密日程を戦っているため、ベンチワークもカギを握ってくる。
この2チームには様々な事情もある。
まずはベンフィカ。実はヨーロッパの大会で最後にタイトルを手にしたのは1961-62シーズンのチャンピオンズカップまで遡ることになる。1961-62シーズンのチャンピオンカップ決勝というとあのレジェンド、エウゼビオが2ゴールを挙げてレアル・マドリーに勝利した試合である。約半世紀ぶりのヨーロッパのタイトルが目の前にあるという状況に燃えない訳がない。
一方のチェルシーはというと、今季限りでの退団が確実なラファエル・ベニテス暫定監督が今後の就職先を選ぶ上でもタイトルを欲しがるのは間違いない。そして、同じく今季での退団が噂されているMFフランク・ランパードもチェルシーでの最後のタイトルとして、ヨーロッパリーグ制覇を夢見ているかもしれない。さらに、チェルシーがもしヨーロッパリーグを制することになると、史上4チーム目となるUEFAチャンピオンズリーグ、UEFAカップ/UEL、UEFAカップウィナーズカップというUEFA3大クラブ大会の完全制覇を達成することになる。
この決勝戦は素晴らしい試合になりそうだ。もしかしたらチャンピオンズリーグの決勝戦、ドルトムント対バイエルン・ミュンヘンより見ごたえのあるカードかもしれない。ヨーロッパリーグの頂点に立つのはベンフィカか、それともチェルシーか。5月15日、アムステルダムの夜は最高の舞台を演出してくれるだろう。
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