2014年8月21日木曜日

欧州サッカー特集⑦ ベンフィカの新兵器・「ひょろ長ボランチ」タリスカとは

ご無沙汰しております、ザウバーです。
ずいぶん久しぶりのブログ更新となる今回は、ベンフィカが新たに獲得した数選手の中から、もっとも期待値の高いと思われる若手のブラジル人をご紹介します。

アンデルソン・ソウザ・コンセイソン。通称タリスカと呼ばれるブラジルU-20代表のボランチが今夏、ECバイーヤというブラジルのクラブから2019年までの5年契約でベンフィカに加入した。移籍金は約400万€と言われており、期待値の高さがうかがえる。



タリスカというニックネームは「ひょろ長」という意味だ。実際188cm、70kgと、まさに「ひょろ長」である。そんな彼の特徴は、高身長を生かしたダイナミックなプレーではなく、左足のキックの精度にある。長短のパスを織り交ぜ、味方にピンポイントで合わせる技術は一級品だ。誇張表現かもしれないが、ピルロを彷彿とさせる。さらに、シュートもスピード、精度ともに申し分ない。

私がタリスカのプレーを最初に見たのは、エミレーツカップのアーセナル戦。昨シーズン0ゴールのヤヤ・サノゴに4ゴールを叩き込まれベンフィカは敗れたものの、タリスカのキックの技術は素晴らしいものがあった。南米系の若手選手が何人か今夏にベンフィカに加入したが、開幕戦のパソス・フェレイラ戦に先発出場したのはタリスカただ一人。昨シーズン終盤、アンドレ・ゴメス(現バレンシア)の担っていたポジションに入り、役目を果たした。代理人ジョルジュ・メンデスの思惑により主力が他クラブに多く引き抜かれ一大事のベンフィカにとって、タリスカは大きな希望となっている。本人も自信があるようで、入団の際には「僕が最大限の力を発揮することを期待してもらっていい。このクラブで歴史をつくるためにやって来たわけだからね。ここに来られて嬉しい。ベンフィカのさらなるタイトル獲得に役立ちたい(UEFA.com)」と話している。

そんなタリスカだが、将来はどのような選手になるのだろうか。体力を含むフィジカル面を強化して、競り合いにも強いボランチになることができれば恐らく世界最高峰の選手となることができるだろう。高身長ボランチでキック制度がここまで高い選手もそういないので、ベンフィカで頭角を徐々に表していけば将来的なセレソン入りも保証されるだろう。その頃にはベンフィカを去り、より強いクラブでプレーしているかもしれないが。

簡単な紹介になってしまったが、この「ひょろ長ボランチ」が今シーズンのベンフィカにおいて重要な駒となるのはほぼ確実である。是非皆さんにも注目してほしい選手だ。


追記
こんにちは。8月に書いたこの記事ですが、最近タリスカがメディアにも多く取り上げられるようになり、こちらの記事にもアクセスが増えております。感謝感謝です。ただ、現在のタリスカのイメージと、この記事に書いてあるタリスカの特徴は結構異なっていますね。プレシーズンマッチや開幕直後はボランチ起用が主でしたが、現在はセカンドトップやトップ下を主戦場に得点を荒稼ぎしています。メディアからは“ニューリバウド”とも呼ばれるようになり、早くもイングランド方面から獲得の噂が流れていますね。さらに、怪我のルーカス・モウラに代わりセレソンにも招集されました! こんなに早く招集されるとは...と正直私も驚きですが、ベンフィカでの活躍を見れば妥当なのかもしれませんね。最後に、この稚拙な記事を見てタリスカの特徴を理解していただき、彼の成長を見守っていただければ幸いです。

2014年11月19日