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2014年11月10日月曜日

欧州サッカー特集⑧ ヴェンゲル体制は本当に限界か

こんにちは。欧州サッカー特集としては、久しぶりの記事になりますね。
さて、今回は近ごろ、賛成派と反対派できっぱりと別れることの多い、アーセナルのヴェンゲル政権の継続についてお話しします。

今シーズン、リーグ戦11試合を消化して未だに4勝と波に乗れない、勝ちきれない試合の多いアーセナル。プレミアのトロフィーをかけた争いでは、早くも首位チェルシーに差を開かれ黄色信号という状態だ。当然ヴェンゲルに向けられる声は日々厳しいものとなっており、毎年おなじみのヴェンゲル限界説が今回もささやかれている。

では本当にヴェンゲル政権は18年の歴史を数える今、限界に来ているのか。非常に難しい問題だが、今回ばかりは私も限界に来ていると感じる部分がある。その部分を分析していく。

1.相変わらず怪我人の数が多い

毎シーズンアーセナルを苦しめるもの、それは度重なる怪我。今シーズンに入ってから、すでにジルー、モンレアル、サノゴ、ドゥビュシー、アルテタ、ラムジー、コシェルニー、エジル、オスピナなどの主力選手が怪我で離脱し、ジルー、ドゥビュシー、エジルに関しては長期の離脱となっている。ワールドカップの影響もあり、ベストコンディションで開幕を迎えられたわけではないが、それでも他チームに比べて離脱者の数があまりにも多すぎる。この原因は何であろうか。もちろん不幸な怪我というものもあるが、アーセナルの場合、多くは疲労からくる怪我と考えられる。ヴェンゲルという監督は、選手のローテーションをあまり好まず、常にベストメンバーで戦おうとする。


・メスト・エジルから見るヴェンゲルの選手起用

13/14シーズン、夏の移籍市場の最終日にアーセナルに加入したメスト・エジル。チーム加入直後は圧倒的なパフォーマンスでチームの前半戦の躍進に大きく貢献。しかし、中盤以降はハムストリングの怪我による長期離脱などもあり、移籍金に見合った活躍ができたとは言い難いシーズンとなった。不調、そして怪我の原因として挙げられるのが疲労だ。アーセナルに加入する前のシーズン、ジョゼ・モウリーニョの元でレアル・マドリーの一員としてプレーしていたエジルと、アーセナルに加入した後のエジルのリーグ戦での出場時間を見るとよく分かる。

    12/13シーズン 
32試合出場
合計出場時間:2022分 
    一試合平均:約63.2分

13/14シーズン 
26試合出場 
合計出場時間:2139分 
   一試合平均:約82.3分

なんと、アーセナル加入後のエジルはレアル・マドリー時代に比べ、出場試合数としては6試合も少ないのにも関わらず、合計出場時間は117分も増加しているのだ。一試合平均の出場時間も20分近く増加しており、疲労が溜まりやすくなるのも当然と言える。さらに、スペインに比べイングランドはウィンターブレイクが無いなどの理由で過密日程になり、その中でこのような起用をしていたことになる。


ジョゼ・モウリーニョという監督は、選手のフィジカルケアにかなり気を遣う。今まで数々のトロフィーを手にしてきた要因の一つとしてこのケアが挙げられる。対してヴェンゲルはどうだろうか。これだけ見ると選手のケアが万全とは言えないのではないだろうか。エジルだけでなく、数多くの選手に対するフィジカル的なケアが不十分と言わざるを得ない。ローテーションを適切に使っていく能力、この辺りがヴェンゲルが長い監督生活を過ごしている中で未だに未熟な部分である。選手層の問題もあるかもしれないが、では何故層が薄いポジション、ここ数シーズンで言えばCF、DMF、CB、RSBを補強しないのか。ここにも疑問が生まれてくる。

今シーズンもまた同じ過ちを繰り返している。果たしてヴェンゲルはこの状況を変える気があるのだろうか。フォーサイスという優秀なフィジカルコーチを加入させたところで、監督が選手のケアを怠っているのでは意味がない。



2.試合に柔軟性が見られない

これも昔からの問題。前述の通り、ヴェンゲルはローテーションをあまり好まない監督なので、どんなチームが相手でもスターティングメンバーがまったく同じということがよくある。ただ、これで本当にいいのだろうか? というのも、例えばチャンピオンズリーグでボルシア・ドルトムントと戦った直後の週末にQPRとの試合が控えているとする。当然チームの実力的にはドルトムントの方が上なので、こちらによりベストなメンバーを組むのが妥当で、QPR戦は疲労回復の意味も込め、控えのメンバーを使うなど工夫をするのが普通だ。でもアーセナルの場合、この2試合ともベストメンバーを組み試合に臨むなんてことが日常茶飯事。控え選手を使うのには、疲労回復以外にも、例えばディフェンスラインを極端に下げて守ってくるチームへの有効な対策にもなる。確かに連携面ではベストメンバーを組んだ方がいいのだろうが、相手に見合った選手を選択することも重要だ。

柔軟性という面では、試合中にも問題があるといえる。アーセナルといえば、ボールをポゼッションしながらゴール前をショートパスやワン・ツーで崩していく魅力的なスタイルだが、常にこれではすぐに相手に対策されてしまう。特に今シーズンはこの傾向が顕著で、ゴール前まで来ているのにシュートを打たず相手にボールを取られてしまうチグハグな攻撃が目立つ。サンチェスの個人技や前線からのプレッシングに頼らざるをえない現状、ゴール前での戦術的オプションをもう一つ二つ増やしてもいいのではないだろうか。当然これだけの怪我人を抱えている以上、厳しいものがあるのかもしれないが。ちなみに、2列目の選手による流動的なポジションチェンジはかなり魅惑的だ。アーセナルならではといえる。

交代選手の起用は昔より幾分か上手くなったイメージがある。時々ある3枚替えは中々に面白いと思う。が、割と先発メンバーを粘り強く起用する傾向が未だに強い。今季もカソルラとチェンバレンをもう少し早く交代させていたら...と思うことが何度かある。


3.補強方針

「なぜ守備的な選手を獲らない」。これはここ数年グーナーが感じ、口に出す言葉だ。事実である。アーセナルの弱点はどちらかといえば守備にあるにも関わらず、今でも攻撃的な選手に対し多くの投資を行っている。もちろんヴェンゲルの目指す攻撃的サッカーを体現するにはエジルやサンチェスといった、1人で観衆を沸かせることができるプレイヤーが必要なのかもしれない。しかし、そのような攻撃も、安定した守備があってこそではないか。ここ数年の守備的な選手の補強というと、メルテザッカー、アルテタ、モンレアル、フラミニ、チェンバース、ドゥビュシーといったあたりが主だが、小粒感が否めないのも事実だ。お気づきだろうが、この中にCBを本職とする選手はメルテザッカーただ1人である。エジルやサンチェスの獲得に要した金額より安い2500万£ぐらいをCBの選手獲得に充ててみれば、かなりのレベルの選手が獲得できるはずだ。アーセナルはエミレーツスタジアム建設の借金返済を目前に控え、さらに、プーマやエミレーツ航空との大型スポンサー契約により、今となっては他のビッグクラブにも引けを取らない「お金持ちクラブ」だ。そんなクラブ、否、ヴェンゲルが守備補強に大型資金を投入する日は来るだろうか。あまり容易には想像できないシーンだが。守備補強をしっかりしていれば、ここ数年悩まされている「ビッグゲームでの弱さ」が解消されるかもしれない。



結論

アーセナルのヴェンゲル体制は極めて危険な状態にあるのは事実である。既に明らかになっている問題がここ数年改善の兆しを見せない現実を見ると、新しい風を吹き込むことも選択肢の一つとして考えることも賢明かもしれない。とはいえ、マンチェスター・ユナイテッドのように、長期政権を築いた監督が職務を終えると、チームが下降していくリスクもある。アーセナルの場合、ヴェンゲルが監督に就任して以降、ずっとチャンピオンズリーグ圏内をキープしている。これが収入源でもあるので逃した場合のリスクは計り知れない。もちろんヴェンゲルがこれを逃した場合は今までで最大の「Wenger Out」のコールが起こるだろう。

ヴェンゲル政権は持ってあと2年以内、と私は見ている。次期監督だが、個人的にはペップ・グアルディオラを推す。グーナーの中にはアレルギー反応を見せる人も多いと思うが、彼は監督として率いたチームを、常にヨーロッパフットボール界の最先端に持っていく。一つのコンセプトにとらわれることなく、バイエルンではバルセロナ時代とは一味違うサッカーで魅了している。むしろ彼のレベルにないとアーセナルを常にトップレベルのクラブに居座らせるのは大変難しい。

私もアーセナル、ヴェンゲルのサッカーに魅了されてグーナーになった一人だ。ヴェンゲルは人間性も他のクラブの監督に比べ素晴らしいものを持っている、模範的な人物だ。そんなセンセーショナルなレジェンドがアーセナルの監督を退く時には当然悲しむことだろう。だがその時は着々とその時は近づいている。私はヴェンゲルがエミレーツスタジアムのテクニカルエリアからベンチコートをまとって指示を送る姿を、これからはしっかり噛みしめて見ていきたい。このフランス人がアーセナルを去る時の悲しみを最小限に抑えるために。

2014年8月21日木曜日

欧州サッカー特集⑦ ベンフィカの新兵器・「ひょろ長ボランチ」タリスカとは

ご無沙汰しております、ザウバーです。
ずいぶん久しぶりのブログ更新となる今回は、ベンフィカが新たに獲得した数選手の中から、もっとも期待値の高いと思われる若手のブラジル人をご紹介します。

アンデルソン・ソウザ・コンセイソン。通称タリスカと呼ばれるブラジルU-20代表のボランチが今夏、ECバイーヤというブラジルのクラブから2019年までの5年契約でベンフィカに加入した。移籍金は約400万€と言われており、期待値の高さがうかがえる。



タリスカというニックネームは「ひょろ長」という意味だ。実際188cm、70kgと、まさに「ひょろ長」である。そんな彼の特徴は、高身長を生かしたダイナミックなプレーではなく、左足のキックの精度にある。長短のパスを織り交ぜ、味方にピンポイントで合わせる技術は一級品だ。誇張表現かもしれないが、ピルロを彷彿とさせる。さらに、シュートもスピード、精度ともに申し分ない。

私がタリスカのプレーを最初に見たのは、エミレーツカップのアーセナル戦。昨シーズン0ゴールのヤヤ・サノゴに4ゴールを叩き込まれベンフィカは敗れたものの、タリスカのキックの技術は素晴らしいものがあった。南米系の若手選手が何人か今夏にベンフィカに加入したが、開幕戦のパソス・フェレイラ戦に先発出場したのはタリスカただ一人。昨シーズン終盤、アンドレ・ゴメス(現バレンシア)の担っていたポジションに入り、役目を果たした。代理人ジョルジュ・メンデスの思惑により主力が他クラブに多く引き抜かれ一大事のベンフィカにとって、タリスカは大きな希望となっている。本人も自信があるようで、入団の際には「僕が最大限の力を発揮することを期待してもらっていい。このクラブで歴史をつくるためにやって来たわけだからね。ここに来られて嬉しい。ベンフィカのさらなるタイトル獲得に役立ちたい(UEFA.com)」と話している。

そんなタリスカだが、将来はどのような選手になるのだろうか。体力を含むフィジカル面を強化して、競り合いにも強いボランチになることができれば恐らく世界最高峰の選手となることができるだろう。高身長ボランチでキック制度がここまで高い選手もそういないので、ベンフィカで頭角を徐々に表していけば将来的なセレソン入りも保証されるだろう。その頃にはベンフィカを去り、より強いクラブでプレーしているかもしれないが。

簡単な紹介になってしまったが、この「ひょろ長ボランチ」が今シーズンのベンフィカにおいて重要な駒となるのはほぼ確実である。是非皆さんにも注目してほしい選手だ。


追記
こんにちは。8月に書いたこの記事ですが、最近タリスカがメディアにも多く取り上げられるようになり、こちらの記事にもアクセスが増えております。感謝感謝です。ただ、現在のタリスカのイメージと、この記事に書いてあるタリスカの特徴は結構異なっていますね。プレシーズンマッチや開幕直後はボランチ起用が主でしたが、現在はセカンドトップやトップ下を主戦場に得点を荒稼ぎしています。メディアからは“ニューリバウド”とも呼ばれるようになり、早くもイングランド方面から獲得の噂が流れていますね。さらに、怪我のルーカス・モウラに代わりセレソンにも招集されました! こんなに早く招集されるとは...と正直私も驚きですが、ベンフィカでの活躍を見れば妥当なのかもしれませんね。最後に、この稚拙な記事を見てタリスカの特徴を理解していただき、彼の成長を見守っていただければ幸いです。

2014年11月19日



2014年5月26日月曜日

欧州サッカー特集⑥ 栄光への階段を進み始めた「レッドブルの町」

ザルツブルク

オーストリア北西部にあるその町は、豊かな自然に囲まれ、今もなお中世の雰囲気を漂わせている世界遺産の町だ。ザルツブルク出身の著名人には、世界中誰もが知る天才音楽家モーツァルト、20世紀のクラシック界を支えた「楽団の帝王」として知られるヘルベルト・フォン・カラヤン、そして「ドップラー効果」でおなじみのクリスチャン・ドップラーがいる。

そんなザルツブルクは今、あの大手飲料メーカー「レッドブル」の町でもある。ザルツブルク国際空港に隣接する「レッドブル・ハンガー7」という巨大なミュージアムは、レッドブル社長のディートリッヒ・マテシッツ氏が設計から完成に4年を費やした、すべての芸術を融合させた現代のザルツブルクを象徴するような施設だ。

そんなザルツブルクに、今回紹介するチームがある。それこそがレッドブル・ザルツブルク。日本ではあの宮本恒靖や三都主アレサンドロが在籍していたクラブということでご存知の方も多いかもしれない。



そして、このチームは現在欧州中の注目を浴びている。リーグ独走はもちろん、今年初めに行われたプレシーズンマッチではあの欧州チャンピオンであるバイエルン相手に3-0の圧勝、そして残念ながらベスト16でバーゼルに敗れたものの、ヨーロッパリーグではグループステージ6戦全勝、決勝トーナメント1回戦ではアヤックス相手に2戦合計で6-1と内容でも結果でも圧倒したからだ。

このクラブの歴史は深く、1933年まで遡る。当時は「SVアウストリア・ザルツブルク」というクラブ名で戦っていた。クラブ発足後しばらくは目立った成績を残せず、2部への降格も数度経験したが、1990年代、特に1993-94シーズンにはチーム初のオーストリア・ブンデスリーガと国内カップ戦で優勝、UEFAカップ(当時)の決勝に進出するといった黄金期を迎えた。しかし1998年以降チームは低迷し、2005年にレッドブル社がチームを買収、「レッドブル・ザルツブルク」というチーム名に生まれ変わった。チーム買収の際には、レッドブルがチームカラーなどの伝統を守っていないとして、一部のサポーターにより「SVアウストリア・ザルツブルク」の名で新たなチームが発足するといったトラブルもあった(現在も存在している)。レッドブルの買収後、2005年からドイツの強豪バイエルン・ミュンヘンと提携を結び、バイエルンの選手が次々とチームに加入。2006年には監督にジョバンニ・トラパットーニ、コーチにローター・マテウスを迎え、選手の補強を積極的に行い(宮本や三都主もその1人)、2006-07シーズンに10年ぶりのリーグ優勝、その後もチームは常にリーグの最終順位で3位以下に落ちることなく、黄金期の再現が成されているといっていい。

現在のクラブを率いるのはドイツ人のロジャー・シュミット。現役時代からドイツの下部リーグを渡り歩き、なんと自動車部品メーカーでエンジニアとして働いていた経歴も持つ。そんな彼が監督として注目を浴びたのは11-12シーズン。当時ブンデスリーガ2部において降格候補とされていたSCパダーボーンの監督に就任したシュミットは、リーグの中でもとりわけ少ない予算の中、見事リーグ5位でフィニッシュ。これがザルツブルク首脳陣の目に留まり2012年7月、レッドブル・ザルツブルクの監督に就任した。就任1年目はザルツブルクと肩を並べる強豪であるFKアウストリア・ウィーンに優勝を明け渡したが、今季は2位以下を大きく引き離し、8節を残し6回目のリーグ優勝を決めた。

現在のチームを作っているのはシュミットだけではない。シュミットの監督就任と同時にラルフ・ラングニック、ジェラール・ウリエの2人がそれぞれSDとGSD(グローバル・スポーツ・ディレクター)に就任している。チーム体制では他の欧州の強豪クラブに引けを取らない。

では、ここでザルツブルクのチームについて見て行こう。このチームの戦術は基本的に4-2-2-2の形を取る。以下のような形だ。


この中でも特に目立つのがアラン、ソリアーノ、マネ、カンプルという前線の4人。今季はチーム全体のリーグ得点数が実に110に上った。この110という数字がいかに圧倒的かというと、リーグ2位の得点数を誇ったラピド・ウィーンで63である。オーストリア・ブンデスリーガは年間36試合が行われるため、1試合平均のゴール数は3を上回るのだ。

これほどのゴールを量産しているのには、もちろん理由がある。ドルトムントのサッカーを思い出して欲しい。彼らはいわゆる“ゲーゲンプレッシング”を仕掛け、高い位置からのショートカウンターを持ち味とするが、ザルツブルクの戦術もドルトムントのこのスタイルに近い。ボールを奪われたらそれが相手のディフェンスラインでのボール回しであろうが何だろうが、とにかくリトリートすることなく前線の4人が全速力でプレスをかけに行く。バイエルンとの親善試合ではソリアーノと、この日アランに代わって先発出場していたロベルト・ズリの積極的なプレスに対して、バイエルンのセンターバック、特にダンテは苦労を強いられていた。またカンプルは、右サイドだけでなく、中央のエリアにもプレスをかけに積極的に移動していた。バイエルン戦ではボールを奪うと一気に縦に長く、速いボールをスピードのあるマネに送り得点やPK獲得に繋げていたが、これは攻守の切り替えがとても速いバイエルン相手にとても効果的だったといのえる。もちろん相手によってショートカウンターの方法は変化するが、どの場合においてもカンプルが起点になったり、ラストパサーになったりすることが多々見受けられる。ケヴィン・カンプルという若干23歳のスロベニア代表プレーヤーはチームに献身的であり、核となっているのである。

ケヴィン・カンプル


さて、そんなザルツブルクだが、来季はそう簡単に今季以上の成績を残すことはできないだろう。なぜならロジャー・シュミット監督がドイツの強豪、バイヤー・レヴァークーゼンの監督に就任するからだ。さらに、左サイドバックとしておよそ5年チームを支えてきたドゥシャン・シュベントがドイツのケルンに移籍することも決定している。この他にも、エースのソリアーノやカンプルにもイングランド方面からの興味が噂されており、大きな戦力ダウンとなる可能性もある。

ザルツブルクはシュミットの後任として、選手としてはザルツブルクで1990年代の黄金期を支え、監督としては予算規模がとても小さいグレディグというクラブを率い、就任1年目でチームを1部に昇格させ、2年目の今季はリーグ3位に躍進させた44歳のアディ・ヒュッター監督の就任を発表した。もちろん国内リーグの優勝候補の最右翼ではあるが、欧州の舞台では来季もCLの予選から参加する。プレーオフまで勝ち進むと各国の強豪を相手にすることになるが、果たして本選出場は叶うだろうか。

来季もまた欧州で名を轟かせてくれることを期待している。

2013年9月28日土曜日

欧州サッカー特集⑤ スティーブ・クラーク勝負の1年 “ルカク抜き”でどこまで戦えるか


どうも。

まず、皆さんにお知らせがあります。

これまでは欧州サッカー“批評”としてお送りしてきたこのコーナーですが、第1弾のスポルティング編以外とても批評とは呼べないものとなっているので、今回からは欧州サッカー“特集”としてお送りしていきたいと思います。

何卒よろしくお願いいたしますm(__)m




では欧州サッカー“特集”の第5弾といたしまして、昨シーズンのプレミアリーグで大躍進を遂げたウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンを特集したいと思います。



ウェストブロム、通称バギーズといえば、10-11シーズンにプレミアリーグに復帰して以降、ずっと残留を第一目標に戦ってきたチーム。

しかし12-13シーズン、イングランド代表監督に就任したロイ・ホジソンの代わりに新たにバギーズの監督に就任したスティーブ・クラークのもとチームは序盤から快進撃を続け、最終的には勝ち点49の8位でフィニッシュ。監督1年目のクラークにしては上出来だった。

しかし、今シーズンは事情が違う。




①今シーズンは“ルカク抜き”


12-13シーズンのバギーズの躍進を支えたのがチェルシーからローン移籍していたロメウ・ルカク。

ロメウ・ルカク

開幕節でいきなりゴールを決めると、最終的には17ゴールを挙げ、チーム内ならず、イングランド中からの注目を浴びた。

そんなルカクだが、シーズン終了とともにローン元のチェルシーに帰ると、今度はエヴァートンへと再びローン移籍した。つまり、今シーズンのバギーズはルカク抜きで戦わなけれならないという厳しい状況を迎えていたのである。

さすがに攻撃陣の補強は急務となり、プレミアリーグ開幕前に実績十分のニコラ・アネルカ、そしてウディネーゼからローンでマチェイ・ヴィドラという若いストライカーを獲得すると、プレミアリーグ開幕節のサウサンプトン戦に0-1で敗戦後、すぐさまマンチェスター・シティからスコット・シンクレアをローンで獲得。攻撃陣の強化を図った。

      左:アネルカ
     右上:シンクレア
 右下:ヴィドラ




②移籍市場最終日にテコ入れ


しかし、それでも第2節のエヴァートン戦、そして第3節のスウォンジー戦と、点が全く取れずに得た勝ち点はわずか1。この時点で最下位となってしまう。

アネルカとシンクレアも連携面の問題でチームに未だ馴染めず、苦しい状況だった。

そこで、移籍市場最終日の9月2日。バギーズのフロント陣は攻撃陣の大補強を敢行した。

獲得した選手は3人。エヴァートンからビクター・アニチェベ、サンダーランドからステファン・セセニョンをそれぞれ完全移籍で、そしてマルセイユからモーガン・アマルフィターノをローンで獲得。同時に移籍のうわさが絶えなかったピーター・オデムウィンギーを放出したものの、単純な攻撃陣の層としては昨シーズンを大幅に上回る結果となった。

上からアニチェベ、セセニョン、アマルフィターノ




③大補強が徐々に実を結ぶ


そんな“大補強”を敢行したバギーズは、代表ウィーク明けにクレーヴン・コテージで行われたフルアム戦で早速アマルフィターノとアニチェベを起用。なんとか終盤にシーズン初ゴールをマコーリーが奪い勝ち点1を獲得した。


そして遂に9月21日、ザ・ホーソンズで行われたサンダーランド戦で補強が実を結ぶ。

20分、アマルフィターノの正確なクロスにシンクレアが合わせるもこれはキーパーの正面。しかし、そのこぼれ球をセセニョンが押し込み、新戦力3人で先制点を奪った。

さらに76分、アマルフィターノのクロスをキーパーが弾くと、今度は左サイドバックの位置から上がってきたリッジウェルが押し込み2-0。バギーズの攻撃陣が遂に目を覚ました。

そして後半アディショナルタイム、途中出場のアニチェベのパスを受けたアマルフィターノが右足を振りぬき3点目。新戦力がそれぞれ活躍を見せ、見事勝ち点3を獲得した。



この試合がバギーズにとっての開幕節といっていいだろう。




④守備は昨シーズンと同様の布陣で


攻撃陣の大型補強が注目されがちだが、今シーズンのバギーズは昨シーズンから進化した守備もまた見ることができるだろう。

ジョーンズ、マコーリー、オルソン、リッジウェルという経験豊富な4人が12-13シーズン同様に今シーズンもバギーズのバックラインを形成する。12-13シーズンは失点が多かったが、今シーズンは開幕5試合で4失点と不安は払拭されつつある。4人の連携が深まっているのだ。

更に、今年はバックアップ要因としてパリ・サンジェルマンからウルグアイ代表DFディエゴ・ルガーノを獲得。そして、ディナモ・キエフから左サイドバックのゴラン・ポポフをローンで獲得したことで、守備陣の層も厚くなった。

今シーズンは、ぜひ安定した守備力にも注目してもらいたい。




⑤目標は12-13シーズン超え、そしてアウェー成績の改善


もちろん今シーズンのバギーズの目標は12-13シーズンの成績を上回ることだ。といっても、順位の面で7位以上を目指すというのはプレミアリーグという舞台において厳しい面がある。さらに、プレミアリーグの各チームは今シーズンも大胆な補強を行っているチームが多く、激戦となるのは必至だ。

なのでヨーロッパを目指すのは厳しい面があるが、12-13シーズンに獲得した49ポイントを上回ること、そして得失点もそれぞれ12-13シーズンから改善できれば上出来とみていいだろう。順位はその後だ。

そしてもう1つ改善すべき点がある。それはアウェーでの成績だ。

12-13シーズンのバギーズのアウェーでの成績は5勝3分11敗と極端に悪かった。ここを改善していかないとバギーズの成績は一向に上がらないだろう。アウェーでの敗戦数を6~8に留めることができれば間違いなく順位は良くなる。






と、ここまで今シーズンのバギーズについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
残念ながらキャピタル・ワン・カップは敗退してしまいましたが、大型補強したクラブはチームが1つにまとまってからが勝負ですから、これからといったところですね。

現在14位、サンダーランドに勝利した勢いでどこまで順位を上げてフィニッシュするかは見ものです!

2013年8月15日木曜日

欧州サッカー批評:号外 またベルギー人! エールディビジにとんでもない逸材がいた

どうも!

今回は急遽! とあるベルギー人について紹介したいと思います。

その名は

ザカリア・バッカリ

オランダのPSV所属のベルギー人選手。本職はウィンガーです。



そんな選手聞いたことないって人の方が多いと思います。
それもそのはず、彼は1996年1月26日生まれの17歳!
(実はワタクシと同い年で、誕生日もほぼ1か月しか離れてないんです)

そんな彼になぜ注目するかというと、まずは8月10日に行われたオランダのエールディビジ第2節
PSV対NECの試合をご覧ください。(YouTubeのサイトの方でご覧になることをオススメします)


1点目と2点目と5点目を決めた背番号19の選手がバッカリ。
なんとエールディビジでハットトリック達成!
どれも難しい状態から決めています。

これで17歳というから恐ろしい・・・


しかもこのハットトリックの前日、なんと14日のフランス戦に向けたベルギーのA代表に初召集!!
ベルギー代表のその他のFWの選手がルカク、ミララス、ベンテケ、メルテンスという超豪華なメンバー。
その一員なのだから凄さが分かります。(出場機会はありませんでしたが)
もしかしたら来年のワールドカップの代表メンバーに彼の名前があるかもしれませんね。

しかしベルギーは代表の平均年齢も若く、その中でも次々と逸材が現れますね~ 羨ましい・・・



バッカリ、この名前が1年後には移籍市場で頻繁に騒がれる名前となっているのでしょうか?
是非注目してみてください!

では、短いですがこれで今回は締めたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。


2013年7月16日火曜日

勝手にサッカー批評④ 帝国崩しへ、大補強を進める古豪

どうも。

今回は勝手にサッカー批評の第4弾ということで、このブログでは初登場のウクライナプレミアリーグに注目していきたいと思います。

そんなウクライナプレミアリーグといえば、09/10シーズンから12/13シーズンにかけて、CLでもすっかりお馴染みとなったシャフタール・ドネツクが4連覇中。ディナモ・キエフ、メタリスト、ドニプロなど実力のあるクラブがひしめく中、”シャフタール帝国”を築いているのです。


そんなリーグに一石を投じようと、今夏大補強を敢行しているのがディナモ・キエフ。ディナモ・キエフといえば、かつてはリーグ9連覇を果たすなど、王者としてウクライナを席巻していたクラブ。シェフチェンコやカラーゼといった選手を輩出してきたクラブでもあります。



しかし、12/13シーズンの成績は3位。近年は悪くても2位以内に入っていたクラブが苦汁をなめることになったのです。しかもリーグ優勝は08/09シーズンを最後に全てシャフタールに明け渡しており、クラブの歴史でもかつてないほどの低迷期に入っているのです(これで低迷期だというのが逆に凄いですね)。

そこで、今夏は覇権奪還のために大補強を推し進めています。移籍市場が開くとすぐにフランスのモンペリエで活躍し、数々のビッグクラブが興味を寄せていたモロッコ人MFヨハネス・ベルアンダの獲得を発表。さらにベルギーのアンデルレヒトに所属し、イングランドプレミアリーグの複数クラブが関心を寄せていたFWデュメルシ・ムボカニ、PSVアイントホーフェンからオランダ代表FWイェレマイン・レンスの獲得も同時に発表し、いきなり周囲を驚かせると、先日フランスのボルドーから、08/09シーズンの優勝に大きく貢献したDFブノワ・トレムリナスの獲得も発表。

右からベルアンダ、ムボカニ、イェレマイン・レンス

トレムリナス

いずれも確かな経験を持ち、今後の成長を期待させてくれる選手たちを次々と獲得。欧州の主要リーグに比べ1か月以上早いウクライナプレミアリーグの開幕に向けて着々と準備をしています。ディナモ・キエフにはもともとクロアチア代表のクラニチャル、ポルトガル代表のヴェローゾ、ウクライナ代表で将来のビッグクラブ行きが盛んに取りざたされているヤルモレンコ、ナイジェリア代表で昨シーズン17ゴールを挙げたイディエが所属しているので、攻撃陣の厚さがリーグ屈指になったのは間違いありません。

一方で王者シャフタールは主力のフェルナンジーニョ、そして12/13シーズン得点王のムヒタリャンをそれぞれ放出。代わりにフルミネンセからウェリントン・ネム、インテルナシオナウからフレッジ、ベレスからファケンド・フェレイラという3人のFW、グレミオからMFフェルナンドといった南米期待の若手を次々と獲得しましたが、彼らの実力はまだまだ未知数ということもあり、ディナモ・キエフが漬け込む隙はたくさんあるのです。もちろん彼らが優勝の最有力候補であることに疑いの余地はないですが。

そしてもちろん、他のクラブも黙っていません。今季初めてCLの舞台に挑むメタリスト、そして安定して上位に食い込むドニプロなど警戒すべき相手は多いのです。

しかし、新シーズンのディナモ・キエフに期待できる部分はとても大きいと思います。これだけの戦力を整え、本気で優勝を狙いにいくでしょうから、ELの舞台も含め皆さんにぜひ注目してほしいクラブです。

新シーズン、ディナモ・キエフの動向から目が離せません。




ということで、勝手にサッカー批評④はこれにて終了です。
ちなみにディナモ・キエフはウクライナプレミアリーグの開幕戦を1-1のドローという痛い結果に終わったそうです。頑張って欲しいですね。


では、この辺で失礼します。





2013年6月4日火曜日

勝手にサッカー批評③ ポルトガルに”セルビア旋風”到来の可能性

来季のポルトガル、リーガ・ゾン・サグレスは”セルビア旋風”が吹き荒れるかもしれない。

今、ベンフィカがチームのセルビア化を進めている。

ベンフィカは来季に向けてアヤックスからFWミラレム・スレイマニ、ヘーレーフェーンからMFフィリップ・ジュリチッチ、セルビアのパルチザンからFWラザール・マルコビッチ、そしてベルギーのコルトレイクからDFステファン・ミトロビッチをそれぞれ獲得しているが、彼らはいずれもセルビア人プレイヤーだ。(ベンフィカはもう1人、パラグアイ人ウィンガーのロジャスも獲得している。)
                
                        
                           

上からスレイマニ、ジュリチッチ、マルコビッチ、ミトロビッチ
            

ベンフィカには今季大ブレークしたマティッチを含め、来季は少なくとも5人のセルビア人プレイヤーが所属することになる(マティッチには移籍の噂もあるが)。
マティッチ

・ベンフィカがセルビア人を狙う理由

では、これまでベンフィカも含めポルトガルのクラブは南米から多くの選手を連れてきていたが、なぜ今年のベンフィカはセルビア人を多く獲るのか?

それには当然マティッチの活躍というものがあるだろう。もしジェズス監督がマティッチを中心としたチーム作りを考えているとすると、彼(マティッチ)と同郷であるセルビア人プレイヤーを連れてきて、チームを変えようとしていると考えるのが妥当だろう。当然同郷のチームメイトがいるといないとでは選手の精神的な面で大きな差が出てくる。

ただし、新たにやってきた4人のセルビア人プレイヤーも簡単にポジションを奪えるわけではない。
今のベンフィカはスタメンのクオリティがとても高く、特に2列目はペレス、ガイタン、サルビオ、ジョンなどトップクラスのプレイヤーがズラリと並ぶ布陣だ。スレイマニとジュリチッチが苦労する可能性は高い。一方でマルコビッチ、ミトロビッチはカルドソ、ガライが移籍するようなことがあればチャンスはある。


・ポルトガルリーグの特徴とは一味違ったサッカーをする可能性も

ポルトガルリーグの特徴というのは、若い南米系の選手を中心に個人技を主体としたサッカーをするチームが多いのだが(最近はそのようなクラブが減りつつある)、これだけのセルビア人が加入したのだからこのスタイルとは全く違うサッカーをするのであろう。これまでもジェズスは南米系の若手を使いつつも華麗なパスサッカーを展開してきたが、その戦術をさらに磨き上げるべく今回の補強に踏み切った可能性は十分にある。


・彼らによってタイトルは取れるのか

今季のベンフィカはリーガ2位、ポルトガルカップは準優勝、ELも準優勝と見事なまでに"シルバーコレクター"となったが、新たな戦力は"イーグルス"にタイトルをもたらしてくれるのだろうか?

これは十分考えられる話だろう。セルビア人達のチームワークによりこのチームはかなり強化される可能性を大いに秘めている。来季はポルトの戦力低下も考えられるので、来季こそはタイトルを獲得してくれるはずだ。


・カギは"スレイマニ再生"

ベンフィカのセルビア化のカギとなるポイントは、ズバリ"スレイマニ再生"だ。彼はまだ24歳と若いが、ヘーレーフェーン時代やアヤックス初年度のような輝きは今の彼には無い。そんな彼をどこまで再生させることができるのか。これはベンフィカのチーム自体に大きな影響を与えかねないことなのである。




これでベンフィカのセルビア化についてわかってもらえただろうか。
もしかしたらこのセルビア人による"ベンフィカ革命"がポルトガルの個人主義サッカーを全体主義サッカーに変える可能性もあるので、来季のベンフィカには是非注目してもらいたい。



憶測ばかりになってしまいすみませんでした。
勝手にサッカー批評③、これにて終了です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

2013年3月20日水曜日

勝手にサッカー批評② 今期リーグ戦無敗を続ける2チーム

どうも。

今回は勝手にサッカー批評の第2弾として、欧州のリーグ戦で未だ無敗の2チームを取り上げたいと思います。

そこはどこかというとポルトガルの2つのクラブ、SLベンフィカFCポルトの2クラブです。

では、ここで両チームの今季ここまで(3/18時点、23節終了)のプリメーラでの成績をおさらい。


ベンフィカ 19勝4分け0敗 60得点14失点 GD46 勝ち点61 1位
ポルト   17勝6分け0敗 52得点11失点 GD41 勝ち点57 2位


ちなみに、3位のブラガは勝ち点が43と、いかにこの”2強”が抜けて強いかが分かります。

この2チームが直接対決した1月のルスでの”クラシコ”は2-2の引き分けという結果でした。


では、この2チームはなぜここまで他を圧倒しているのか。

まずはベンフィカから見ていきましょう.。


ベンフィカ 

ベンフィカの持ち味はなんといっても前線の得点力。

エースのオスカル・カルドソと今季ブラガから加入したリマの2トップはプリメーラ1の破壊力を誇ります。


オスカル・カルドソ

リマ


さらに、その2人の得点をサポートする2列目以降の選手もサルビオガイタンエンソ・ペレスなどといった豪華な布陣となっているのです。


サルビオ

エンソ・ペレス(腕には「安康」と彫られてますね)


一方でディフェンス陣もキャプテンのルイザォン、そしてマンチェスター・ユナイテッド移籍が噂されるエキセル・ガライの2センターは鉄壁。

圧倒的な攻撃力を武器に今シーズンも優勝を争うのがジョルジェ・ジャズス率いるベンフィカです。




ポルト 

さて、ポルトはどうでしょうか。

ポルトの攻撃陣は得点ランキング独走中のジャクソン・マルティネスを中心にハメス・ロドリゲスヴァレラといったクオリティの高い選手が勢揃い。


ジャクソン・マルティネス

ハメス・ロドリゲス



そしてジョアン・モウチーニョルチョ・ゴンザレスという世界屈指の2ボランチがゲームを創り上げていく形です。


ジョアン・モウチーニョ

ルチョ・ゴンザレス


そしてポルトの最大の持ち味と言えば守備。今シーズンリーグでわずか11失点という記録が示す通り、このチームは素晴らしい組織守備を見せてくれます。

監督は44歳のビクトール・ペレイラです。





このように、ベンフィカとポルトは他のプリメーラのクラブと比べると圧倒的な戦力を持ち、格の違うサッカーを展開します。

今やリーガ・エスパニョーラ以上に”2強”の色が強くなっているプリメーラ・リーガ。
さてこの2クラブのうち、リーガを制するのはどちらになるのでしょうか?

さて、分析していきましょう。
実はこの2チーム、29節(全30節中)が開催される5月12日に直接対決(”クラシコ”)をポルトのホームであるドラガォンで行う予定。ここで雌雄が決するのはほぼ間違いないでしょう。


ではチームごとに。

まずベンフィカですが、この後のリーグ戦ではホームでのリスボン・ダービーが待ち受けています。そしてELを勝ち残っており、クウォーターファイナルではニューカッスル・ユナイテッドとの対戦が決定。ノースイーストへの遠征という少々キツイ日程となっています。が、現在ポルトとは5ポイント差の状況。格下との対決を確実に制し、リスボン・ダービーでスポルティング・リスボンを叩ければ優勝の可能性は高まってくるでしょう。

一方ポルトは21節のスポルティング・リスボン戦、そして23節のマリティモ戦で痛恨のドロー。ヨーロッパのコンペティションからは姿を消したとはいえこの後も”クラシコ”以外ではホームのブラガ戦、そしてアウェイのパッソス戦を控えている厳しい日程。もう1つも取りこぼしは許されない状況です。
よって、このまま行けば優勝はベンフィカになると思います。しかしポルトもまだ無敗。まだまだリーグは熱い戦いを繰り広げそうです。
そして、この先もしばらくはこの2クラブがポルトガルを席巻することになるでしょう。



という内容でしたが、最後まで見ていただきありがとうございます。
これからもポルトガルサッカーをメインにサッカーのお話が出来たら幸いです。
では、また次回お会いしましょう!



2013年1月26日土曜日

勝手にサッカー批評 その① 苦しむ首都の強豪クラブ


どうも、ザウバーです。
今回からある企画を始めたいと思います!

その名も、勝手にサッカー批評

です。

第一回となる今回は、ポルトガルの名門チーム、スポルティング・リスボンの今を探りたいなと思います。



スポルティング・リスボンは、ポルトガルの首都リスボンにあるクラブで、これまでにリーグ18回、カップ19回、スーパーカップを7回獲得している超名門クラブ。

ユースシステムが優秀とされ、これまでにフィーゴやクリスティアーノ・ロナウド、クアレスマ、ナニ、モウチーニョ、ヴェローゾなどのスーパースターを輩出してきた実績を持ちます。

そんなスポルティングなのですが、ここ数年苦しいシーズンを送っています。

リーグタイトルからは01/02シーズン以来遠ざかり、2008年のスーパーカップ以来タイトル無し。

特に今シーズンはスポルティングの歴史の中でも特に酷いシーズンとなっています。

何故ポルトガル屈指の名門クラブがここまで苦しむのか?

1/26現在のデータで分析しました。

①監督を2度交代している
 スポルティングは今シーズンに入ると、契約を5月に延長したばかりだったサ・ピント監督を成績
 不振によりか10月初旬に解任すると、続いてやってきたヴェルコーテレン監督も成績を残せず、
 わずか2か月で解任。そして現在はフェレイラ監督が1月から指揮を執っています。
 監督がコロコロと変わると当然戦術面も成熟しません。
 監督交代がプラスに出る場合(例:昨シーズンのチェルシー)もありますが、今のところスポルテ
 ィングにその様子は見られません。

②財政難?
 スポルティングは現在、大変な財政難に苦しんでいると言われています。
 そのためか、現在選手を多く放出する形となっています。
 この冬だけでもレディングにダニエル・カリーソが移籍し、アトレティコ・マドリーにインスーアが移
 籍、そしてイズマイロフはポルトに移籍と主力級の選手が次々と新天地に旅立っています。
 一部報道ではエースのファン・ウォルフスウィンケルにもオファーが届いているとされ、放出も充
 分に考えられます。
 

③フロントの”迷走”
 おそらくこの記事をご覧になってる方はTwitterの交友関係からしてグーナーの方が多いと思う
 のですが、スポルティングフロントの迷走っぷりはアーセナルを上回ります。
 レディングに移籍したカリーソの推定移籍金は約75万ユーロと言われています。しかし、このオ
 ファーを受ける前にセビージャから約300万ユーロのオファーを受けていたとされており、売り時 
 を完全に間違えています。
 さらに、今冬スポルティングはポルトからミゲル・ロペスをチームに加えましたが、この時の取引
 が約550万ユーロの移籍金+イズマイロフの譲渡という形だったこと。そのロペスは右サイドバッ   
 クが本職の選手なのですが、右サイドバックにはすでに若手のセドリック・ソアレスが定着。さらに
 ロペス加入から数日後に左サイドバックでレギュラーだったインスーアを約350万ユーロ(その約 
 半分は前所属のリヴァプールへ)で放出。補強ポイントが明らかにズレています。

④点が取れない
 今シーズンのスポルティングは、とにかく点が取れません。
 今シーズンのリーガでの総得点は15試合中14点。1試合に1点取れていない計算になります。
 チーム得点王もファン・ウォルフスウィンケルの5点と現在リーガ得点王のオスカル・カルドソが
 13得点なことを考えると明らかに物足りません。(そう、カルドソはスポルティングの総得点の9
 割以上を1人で取ってることになります。)
 失点数は16とリーガでも4番目にいいのですが、得点数はリーガ13位タイと、得点力不足は明
 らかです。
 いいタレントは揃っているのですがね・・・



では今のスポルティングに何ができるのでしょうか?

①フロントの総入れ替え
 まずはここから手を入れなければなりません。
 これにはソシオが協力してフロントの刷新を呼びかけなければなりません。
 ここを変えないとスポルティングは復活どころかこのまま低迷を続け、最悪降格の可能性も出て
 きます(実際に現在降格圏まで4ポイントです)。

②超攻撃的サッカーをチームに浸透させる
 前述のとおり、スポルティングは現在点が取れません。
 リスクはありますが、超攻撃的サッカーにスタイルを変える必要性があると思います。
 超攻撃的サッカーでスペインのラージョなどは今シーズン躍進しています。
 ウォルフスウィンケル、カペル、カリージョの3人がもっと点を取らなければなりません。

③ユースから選手を積極起用するべき
 スポルティングのトップチームはこのような状況でも、国内屈指のユースシステムを持スポルティ
 ングです。ユースから新しいスターの登場を願って起用するのも選択肢の1つです。

④主力を放出しない
 こればかりはチームの財政状況もあるのであれこれ言えませんが、これ以上主力を放出すると
 本当にマズいことになりかねません。

この4つです。




スポルティングは今変革の時期に来ています。

チームが今の苦境から脱し、再びポルトガルの頂点に君臨する時はいつのなるのでしょうか?








以上、第1回勝手にサッカー批評、スポルティング・リスボン編でした。

次は何を特集しようかな。