どうも。
まず、皆さんにお知らせがあります。
これまでは欧州サッカー“批評”としてお送りしてきたこのコーナーですが、第1弾のスポルティング編以外とても批評とは呼べないものとなっているので、今回からは欧州サッカー“特集”としてお送りしていきたいと思います。
何卒よろしくお願いいたしますm(__)m
では欧州サッカー“特集”の第5弾といたしまして、昨シーズンのプレミアリーグで大躍進を遂げたウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンを特集したいと思います。
ウェストブロム、通称バギーズといえば、10-11シーズンにプレミアリーグに復帰して以降、ずっと残留を第一目標に戦ってきたチーム。
しかし12-13シーズン、イングランド代表監督に就任したロイ・ホジソンの代わりに新たにバギーズの監督に就任したスティーブ・クラークのもとチームは序盤から快進撃を続け、最終的には勝ち点49の8位でフィニッシュ。監督1年目のクラークにしては上出来だった。
しかし、今シーズンは事情が違う。
①今シーズンは“ルカク抜き”
12-13シーズンのバギーズの躍進を支えたのがチェルシーからローン移籍していたロメウ・ルカク。
ロメウ・ルカク
開幕節でいきなりゴールを決めると、最終的には17ゴールを挙げ、チーム内ならず、イングランド中からの注目を浴びた。
そんなルカクだが、シーズン終了とともにローン元のチェルシーに帰ると、今度はエヴァートンへと再びローン移籍した。つまり、今シーズンのバギーズはルカク抜きで戦わなけれならないという厳しい状況を迎えていたのである。
さすがに攻撃陣の補強は急務となり、プレミアリーグ開幕前に実績十分のニコラ・アネルカ、そしてウディネーゼからローンでマチェイ・ヴィドラという若いストライカーを獲得すると、プレミアリーグ開幕節のサウサンプトン戦に0-1で敗戦後、すぐさまマンチェスター・シティからスコット・シンクレアをローンで獲得。攻撃陣の強化を図った。
左:アネルカ
右上:シンクレア
右下:ヴィドラ
②移籍市場最終日にテコ入れ
しかし、それでも第2節のエヴァートン戦、そして第3節のスウォンジー戦と、点が全く取れずに得た勝ち点はわずか1。この時点で最下位となってしまう。
アネルカとシンクレアも連携面の問題でチームに未だ馴染めず、苦しい状況だった。
そこで、移籍市場最終日の9月2日。バギーズのフロント陣は攻撃陣の大補強を敢行した。
獲得した選手は3人。エヴァートンからビクター・アニチェベ、サンダーランドからステファン・セセニョンをそれぞれ完全移籍で、そしてマルセイユからモーガン・アマルフィターノをローンで獲得。同時に移籍のうわさが絶えなかったピーター・オデムウィンギーを放出したものの、単純な攻撃陣の層としては昨シーズンを大幅に上回る結果となった。
上からアニチェベ、セセニョン、アマルフィターノ
③大補強が徐々に実を結ぶ
そんな“大補強”を敢行したバギーズは、代表ウィーク明けにクレーヴン・コテージで行われたフルアム戦で早速アマルフィターノとアニチェベを起用。なんとか終盤にシーズン初ゴールをマコーリーが奪い勝ち点1を獲得した。
そして遂に9月21日、ザ・ホーソンズで行われたサンダーランド戦で補強が実を結ぶ。
20分、アマルフィターノの正確なクロスにシンクレアが合わせるもこれはキーパーの正面。しかし、そのこぼれ球をセセニョンが押し込み、新戦力3人で先制点を奪った。
さらに76分、アマルフィターノのクロスをキーパーが弾くと、今度は左サイドバックの位置から上がってきたリッジウェルが押し込み2-0。バギーズの攻撃陣が遂に目を覚ました。
そして後半アディショナルタイム、途中出場のアニチェベのパスを受けたアマルフィターノが右足を振りぬき3点目。新戦力がそれぞれ活躍を見せ、見事勝ち点3を獲得した。
この試合がバギーズにとっての開幕節といっていいだろう。
④守備は昨シーズンと同様の布陣で
攻撃陣の大型補強が注目されがちだが、今シーズンのバギーズは昨シーズンから進化した守備もまた見ることができるだろう。
ジョーンズ、マコーリー、オルソン、リッジウェルという経験豊富な4人が12-13シーズン同様に今シーズンもバギーズのバックラインを形成する。12-13シーズンは失点が多かったが、今シーズンは開幕5試合で4失点と不安は払拭されつつある。4人の連携が深まっているのだ。
更に、今年はバックアップ要因としてパリ・サンジェルマンからウルグアイ代表DFディエゴ・ルガーノを獲得。そして、ディナモ・キエフから左サイドバックのゴラン・ポポフをローンで獲得したことで、守備陣の層も厚くなった。
今シーズンは、ぜひ安定した守備力にも注目してもらいたい。
⑤目標は12-13シーズン超え、そしてアウェー成績の改善
もちろん今シーズンのバギーズの目標は12-13シーズンの成績を上回ることだ。といっても、順位の面で7位以上を目指すというのはプレミアリーグという舞台において厳しい面がある。さらに、プレミアリーグの各チームは今シーズンも大胆な補強を行っているチームが多く、激戦となるのは必至だ。
なのでヨーロッパを目指すのは厳しい面があるが、12-13シーズンに獲得した49ポイントを上回ること、そして得失点もそれぞれ12-13シーズンから改善できれば上出来とみていいだろう。順位はその後だ。
そしてもう1つ改善すべき点がある。それはアウェーでの成績だ。
12-13シーズンのバギーズのアウェーでの成績は5勝3分11敗と極端に悪かった。ここを改善していかないとバギーズの成績は一向に上がらないだろう。アウェーでの敗戦数を6~8に留めることができれば間違いなく順位は良くなる。
と、ここまで今シーズンのバギーズについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
残念ながらキャピタル・ワン・カップは敗退してしまいましたが、大型補強したクラブはチームが1つにまとまってからが勝負ですから、これからといったところですね。
現在14位、サンダーランドに勝利した勢いでどこまで順位を上げてフィニッシュするかは見ものです!
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