2014年11月10日月曜日

欧州サッカー特集⑧ ヴェンゲル体制は本当に限界か

こんにちは。欧州サッカー特集としては、久しぶりの記事になりますね。
さて、今回は近ごろ、賛成派と反対派できっぱりと別れることの多い、アーセナルのヴェンゲル政権の継続についてお話しします。

今シーズン、リーグ戦11試合を消化して未だに4勝と波に乗れない、勝ちきれない試合の多いアーセナル。プレミアのトロフィーをかけた争いでは、早くも首位チェルシーに差を開かれ黄色信号という状態だ。当然ヴェンゲルに向けられる声は日々厳しいものとなっており、毎年おなじみのヴェンゲル限界説が今回もささやかれている。

では本当にヴェンゲル政権は18年の歴史を数える今、限界に来ているのか。非常に難しい問題だが、今回ばかりは私も限界に来ていると感じる部分がある。その部分を分析していく。

1.相変わらず怪我人の数が多い

毎シーズンアーセナルを苦しめるもの、それは度重なる怪我。今シーズンに入ってから、すでにジルー、モンレアル、サノゴ、ドゥビュシー、アルテタ、ラムジー、コシェルニー、エジル、オスピナなどの主力選手が怪我で離脱し、ジルー、ドゥビュシー、エジルに関しては長期の離脱となっている。ワールドカップの影響もあり、ベストコンディションで開幕を迎えられたわけではないが、それでも他チームに比べて離脱者の数があまりにも多すぎる。この原因は何であろうか。もちろん不幸な怪我というものもあるが、アーセナルの場合、多くは疲労からくる怪我と考えられる。ヴェンゲルという監督は、選手のローテーションをあまり好まず、常にベストメンバーで戦おうとする。


・メスト・エジルから見るヴェンゲルの選手起用

13/14シーズン、夏の移籍市場の最終日にアーセナルに加入したメスト・エジル。チーム加入直後は圧倒的なパフォーマンスでチームの前半戦の躍進に大きく貢献。しかし、中盤以降はハムストリングの怪我による長期離脱などもあり、移籍金に見合った活躍ができたとは言い難いシーズンとなった。不調、そして怪我の原因として挙げられるのが疲労だ。アーセナルに加入する前のシーズン、ジョゼ・モウリーニョの元でレアル・マドリーの一員としてプレーしていたエジルと、アーセナルに加入した後のエジルのリーグ戦での出場時間を見るとよく分かる。

    12/13シーズン 
32試合出場
合計出場時間:2022分 
    一試合平均:約63.2分

13/14シーズン 
26試合出場 
合計出場時間:2139分 
   一試合平均:約82.3分

なんと、アーセナル加入後のエジルはレアル・マドリー時代に比べ、出場試合数としては6試合も少ないのにも関わらず、合計出場時間は117分も増加しているのだ。一試合平均の出場時間も20分近く増加しており、疲労が溜まりやすくなるのも当然と言える。さらに、スペインに比べイングランドはウィンターブレイクが無いなどの理由で過密日程になり、その中でこのような起用をしていたことになる。


ジョゼ・モウリーニョという監督は、選手のフィジカルケアにかなり気を遣う。今まで数々のトロフィーを手にしてきた要因の一つとしてこのケアが挙げられる。対してヴェンゲルはどうだろうか。これだけ見ると選手のケアが万全とは言えないのではないだろうか。エジルだけでなく、数多くの選手に対するフィジカル的なケアが不十分と言わざるを得ない。ローテーションを適切に使っていく能力、この辺りがヴェンゲルが長い監督生活を過ごしている中で未だに未熟な部分である。選手層の問題もあるかもしれないが、では何故層が薄いポジション、ここ数シーズンで言えばCF、DMF、CB、RSBを補強しないのか。ここにも疑問が生まれてくる。

今シーズンもまた同じ過ちを繰り返している。果たしてヴェンゲルはこの状況を変える気があるのだろうか。フォーサイスという優秀なフィジカルコーチを加入させたところで、監督が選手のケアを怠っているのでは意味がない。



2.試合に柔軟性が見られない

これも昔からの問題。前述の通り、ヴェンゲルはローテーションをあまり好まない監督なので、どんなチームが相手でもスターティングメンバーがまったく同じということがよくある。ただ、これで本当にいいのだろうか? というのも、例えばチャンピオンズリーグでボルシア・ドルトムントと戦った直後の週末にQPRとの試合が控えているとする。当然チームの実力的にはドルトムントの方が上なので、こちらによりベストなメンバーを組むのが妥当で、QPR戦は疲労回復の意味も込め、控えのメンバーを使うなど工夫をするのが普通だ。でもアーセナルの場合、この2試合ともベストメンバーを組み試合に臨むなんてことが日常茶飯事。控え選手を使うのには、疲労回復以外にも、例えばディフェンスラインを極端に下げて守ってくるチームへの有効な対策にもなる。確かに連携面ではベストメンバーを組んだ方がいいのだろうが、相手に見合った選手を選択することも重要だ。

柔軟性という面では、試合中にも問題があるといえる。アーセナルといえば、ボールをポゼッションしながらゴール前をショートパスやワン・ツーで崩していく魅力的なスタイルだが、常にこれではすぐに相手に対策されてしまう。特に今シーズンはこの傾向が顕著で、ゴール前まで来ているのにシュートを打たず相手にボールを取られてしまうチグハグな攻撃が目立つ。サンチェスの個人技や前線からのプレッシングに頼らざるをえない現状、ゴール前での戦術的オプションをもう一つ二つ増やしてもいいのではないだろうか。当然これだけの怪我人を抱えている以上、厳しいものがあるのかもしれないが。ちなみに、2列目の選手による流動的なポジションチェンジはかなり魅惑的だ。アーセナルならではといえる。

交代選手の起用は昔より幾分か上手くなったイメージがある。時々ある3枚替えは中々に面白いと思う。が、割と先発メンバーを粘り強く起用する傾向が未だに強い。今季もカソルラとチェンバレンをもう少し早く交代させていたら...と思うことが何度かある。


3.補強方針

「なぜ守備的な選手を獲らない」。これはここ数年グーナーが感じ、口に出す言葉だ。事実である。アーセナルの弱点はどちらかといえば守備にあるにも関わらず、今でも攻撃的な選手に対し多くの投資を行っている。もちろんヴェンゲルの目指す攻撃的サッカーを体現するにはエジルやサンチェスといった、1人で観衆を沸かせることができるプレイヤーが必要なのかもしれない。しかし、そのような攻撃も、安定した守備があってこそではないか。ここ数年の守備的な選手の補強というと、メルテザッカー、アルテタ、モンレアル、フラミニ、チェンバース、ドゥビュシーといったあたりが主だが、小粒感が否めないのも事実だ。お気づきだろうが、この中にCBを本職とする選手はメルテザッカーただ1人である。エジルやサンチェスの獲得に要した金額より安い2500万£ぐらいをCBの選手獲得に充ててみれば、かなりのレベルの選手が獲得できるはずだ。アーセナルはエミレーツスタジアム建設の借金返済を目前に控え、さらに、プーマやエミレーツ航空との大型スポンサー契約により、今となっては他のビッグクラブにも引けを取らない「お金持ちクラブ」だ。そんなクラブ、否、ヴェンゲルが守備補強に大型資金を投入する日は来るだろうか。あまり容易には想像できないシーンだが。守備補強をしっかりしていれば、ここ数年悩まされている「ビッグゲームでの弱さ」が解消されるかもしれない。



結論

アーセナルのヴェンゲル体制は極めて危険な状態にあるのは事実である。既に明らかになっている問題がここ数年改善の兆しを見せない現実を見ると、新しい風を吹き込むことも選択肢の一つとして考えることも賢明かもしれない。とはいえ、マンチェスター・ユナイテッドのように、長期政権を築いた監督が職務を終えると、チームが下降していくリスクもある。アーセナルの場合、ヴェンゲルが監督に就任して以降、ずっとチャンピオンズリーグ圏内をキープしている。これが収入源でもあるので逃した場合のリスクは計り知れない。もちろんヴェンゲルがこれを逃した場合は今までで最大の「Wenger Out」のコールが起こるだろう。

ヴェンゲル政権は持ってあと2年以内、と私は見ている。次期監督だが、個人的にはペップ・グアルディオラを推す。グーナーの中にはアレルギー反応を見せる人も多いと思うが、彼は監督として率いたチームを、常にヨーロッパフットボール界の最先端に持っていく。一つのコンセプトにとらわれることなく、バイエルンではバルセロナ時代とは一味違うサッカーで魅了している。むしろ彼のレベルにないとアーセナルを常にトップレベルのクラブに居座らせるのは大変難しい。

私もアーセナル、ヴェンゲルのサッカーに魅了されてグーナーになった一人だ。ヴェンゲルは人間性も他のクラブの監督に比べ素晴らしいものを持っている、模範的な人物だ。そんなセンセーショナルなレジェンドがアーセナルの監督を退く時には当然悲しむことだろう。だがその時は着々とその時は近づいている。私はヴェンゲルがエミレーツスタジアムのテクニカルエリアからベンチコートをまとって指示を送る姿を、これからはしっかり噛みしめて見ていきたい。このフランス人がアーセナルを去る時の悲しみを最小限に抑えるために。

2014年10月9日木曜日

埼玉西武、正捕手論

どうも。
今回はなんと“野球”をテーマにお話ししていきたいと思います。

私もかれこれ10年ほど応援している埼玉西武ライオンズ。今シーズンはスタートダッシュにものの見事に失敗し、ずっとBクラス生活。最終的に楽天が大コケしてくれたおかげで5位にはなれましたが、ここまでひどかった年もなかなかありません。

その主たる原因はやはり今年も投手陣。エースの岸や、抑えに固定され29セーブを挙げた高橋など大車輪の活躍を見せた選手もいますが、今シーズン苦しんだピッチャーは多かったですね。そこで出てくるのが“正捕手は誰がいいのか”という議論。キャッチャーの能力はピッチャーにも大きく影響してきますからね。これまでの正捕手は炭谷銀仁朗ですが、今シーズンは大きな期待感を抱かせてくれるようなルーキーが2人登場しました。まずは森友哉。なんといってもあの夏場の3試合連続オホームランは鮮烈な印象を与えてくれました。そしてもう1人は岡田雅利。社会人の経験を多く積んだ即戦力ルーキーは、ドラフト5位入団ながら今シーズン1軍で多くの経験を積みました。

では、この3人の中では誰が1番優秀なのか。様々な角度から比較してみましょう。


1.守備能力

正捕手となる上で必要な要素のうち、守備という要素は欠かせません。盗塁を阻止する肩はもちろん、フィジカルコンタクトや細かい守備中の判断など、とても仕事量が大きながキャッチャーというポジション。では、この多くを求められる守備において誰が1番優れているかというと、これは炭谷でしょう。まず魅力的なのは肩。昨シーズン絶不調だった盗塁阻止率が今シーズンはパ・リーグ唯一の4割超え。さらに、2010年に左ひざの半月板損傷と左前十字靱帯断裂という大怪我を負って以降、危険なタックルなどを受けても大きな怪我はしていません。これはとても素晴らしいことだと思います。そして炭谷は、本塁ブロックを行う際に、相手がホームベースをタッチできないような位置を取るのが他球団の同世代ぐらいのキャッチャーに比べとても上手いです。炭谷のポジション取りで今まで防いできた失点はたくさんあります。

次点でどちらが優れているかと考えましたが、これは岡田も森もルーキーなので、私の実力ではうまく比較できません。申し訳ないです。


2.リード

チーム防御率に大きな影響を及ぼすのがキャッチャーのリード。ピッチャーの実力をうまく引き出すことこそチームに安定感をもたらすのです。この面で1番優秀のなは岡田。岡田のリード時に印象的なのは、炭谷と森に比べ、積極的にジェスチャーを含めながらリードをしていくこと。これはピッチャーにとっては自分が今できていないことをその場で知り、修正する上でとても大切なことです。楽天の嶋あたりも積極的にジェスチャーを取り入れてリードをしているイメージがあります。

これに加え、岡田はピッチャーの能力を引き出すのが上手いキャッチャーだなと感じることがあります。例えば藤原良平。2軍でバッテリーを組むことが多く、藤原の2軍での成績は昨年より向上。その好成績が評価されたのか、5月26日の三次での広島戦では1軍でバッテリーを組むことに。ここでは初回と6回に捕まり敗戦投手となったものの、6月13日の西武ドームで行われた広島戦では5回1/3を投げ無失点で勝利投手に。さらに7月3日、大宮で行われた日本ハム戦では6回1/3を投げ3失点。勝敗こそつかなかったものの、クオリティスタートを達成。バッテリーを組んでからたった数か月でピッチャーの実力を引き出すことのできる岡田の実力はただ者ではないと思うのです。社会人での経験は大きな武器でしょう。岡田に欠点があるとすれば、今まで炭谷がリードしてきた、ずっと1軍にいる選手とは上手く噛み合ってないこと。ここは今後の経験で100%とは言わないもののカバーできるとは思いますが。

次点で経験豊富な炭谷。長年バッテリーを組んできた岸や、常に荒れ球傾向のあるウィリアムスあたりのリードは炭谷が1番安定感があります。ピッチャーから見て、この3人の中で1番的が大きく見えるのもメリットでしょう。

そして森にはリードの技術をこれから学んでいってほしいものです。素質は十分で、既に菊池とのコンビは真価を発揮しつつあります。


3.打撃

これは言うまでもないでしょう。森が1番素晴らしいです。なんといっても3試合連続ホームランは世間に衝撃を与えましたね。現在19歳、ここからさらに伸びしろがあるのですから、本当に恐ろしいものです。あとはプロの1軍レベルの変化球と150kmを超えるストレートへの対応、それから守備に就きながらバッティングも本来の力を出すことができればベストですが、これはいわゆる「打てる捕手」の永遠のテーマ。これを乗り越えた先には現役最高キャッチャーの称号が与えられるでしょう。

次点は岡田か炭谷ということになりますが、大きな差は無いかと。とはいえ炭谷の打率は相変わらず2割前後と、平安高校時代のあのバッティングはどこへやらという状況。時まれに打つホームランは意外と効いたりしますけどね。岡田は2軍では15試合で4割を超える驚異的な打率を残していますが、1軍ではやはり苦労してる様子。ただ、そんな中でも9月28の楽天戦で見せたセンターオーバーのタイムリーツーベースは実力の片鱗を見せた形になりましたね。


総括

では、誰が正捕手に適しているかというと、現時点では一番安定感があり、盗塁阻止率も高い炭谷でしょう。ただ、炭谷は今シーズン国内FA権を取得。去就が不透明なので来シーズン以降もライオンズにいるとは限りません。まずは残留を目指してフロントに頑張って欲しいです。

岡田と森は、まだ課題が多いかもしれませんが、1軍経験を積極的に積ませることが大切です。岡田は相性のいいピッチャーが先発の時の女房役として、森はしばらくは打線のカンフル剤として起用していくのがベストだと考えます。

内容は薄いかもしれませんが、最後までお楽しみいただけたでしょうか? 今後も時々野球についてこのブログでお話しする機会があるかもしれませんが、その時はまたよろしくお願いします。

2014年8月21日木曜日

欧州サッカー特集⑦ ベンフィカの新兵器・「ひょろ長ボランチ」タリスカとは

ご無沙汰しております、ザウバーです。
ずいぶん久しぶりのブログ更新となる今回は、ベンフィカが新たに獲得した数選手の中から、もっとも期待値の高いと思われる若手のブラジル人をご紹介します。

アンデルソン・ソウザ・コンセイソン。通称タリスカと呼ばれるブラジルU-20代表のボランチが今夏、ECバイーヤというブラジルのクラブから2019年までの5年契約でベンフィカに加入した。移籍金は約400万€と言われており、期待値の高さがうかがえる。



タリスカというニックネームは「ひょろ長」という意味だ。実際188cm、70kgと、まさに「ひょろ長」である。そんな彼の特徴は、高身長を生かしたダイナミックなプレーではなく、左足のキックの精度にある。長短のパスを織り交ぜ、味方にピンポイントで合わせる技術は一級品だ。誇張表現かもしれないが、ピルロを彷彿とさせる。さらに、シュートもスピード、精度ともに申し分ない。

私がタリスカのプレーを最初に見たのは、エミレーツカップのアーセナル戦。昨シーズン0ゴールのヤヤ・サノゴに4ゴールを叩き込まれベンフィカは敗れたものの、タリスカのキックの技術は素晴らしいものがあった。南米系の若手選手が何人か今夏にベンフィカに加入したが、開幕戦のパソス・フェレイラ戦に先発出場したのはタリスカただ一人。昨シーズン終盤、アンドレ・ゴメス(現バレンシア)の担っていたポジションに入り、役目を果たした。代理人ジョルジュ・メンデスの思惑により主力が他クラブに多く引き抜かれ一大事のベンフィカにとって、タリスカは大きな希望となっている。本人も自信があるようで、入団の際には「僕が最大限の力を発揮することを期待してもらっていい。このクラブで歴史をつくるためにやって来たわけだからね。ここに来られて嬉しい。ベンフィカのさらなるタイトル獲得に役立ちたい(UEFA.com)」と話している。

そんなタリスカだが、将来はどのような選手になるのだろうか。体力を含むフィジカル面を強化して、競り合いにも強いボランチになることができれば恐らく世界最高峰の選手となることができるだろう。高身長ボランチでキック制度がここまで高い選手もそういないので、ベンフィカで頭角を徐々に表していけば将来的なセレソン入りも保証されるだろう。その頃にはベンフィカを去り、より強いクラブでプレーしているかもしれないが。

簡単な紹介になってしまったが、この「ひょろ長ボランチ」が今シーズンのベンフィカにおいて重要な駒となるのはほぼ確実である。是非皆さんにも注目してほしい選手だ。


追記
こんにちは。8月に書いたこの記事ですが、最近タリスカがメディアにも多く取り上げられるようになり、こちらの記事にもアクセスが増えております。感謝感謝です。ただ、現在のタリスカのイメージと、この記事に書いてあるタリスカの特徴は結構異なっていますね。プレシーズンマッチや開幕直後はボランチ起用が主でしたが、現在はセカンドトップやトップ下を主戦場に得点を荒稼ぎしています。メディアからは“ニューリバウド”とも呼ばれるようになり、早くもイングランド方面から獲得の噂が流れていますね。さらに、怪我のルーカス・モウラに代わりセレソンにも招集されました! こんなに早く招集されるとは...と正直私も驚きですが、ベンフィカでの活躍を見れば妥当なのかもしれませんね。最後に、この稚拙な記事を見てタリスカの特徴を理解していただき、彼の成長を見守っていただければ幸いです。

2014年11月19日



2014年5月26日月曜日

欧州サッカー特集⑥ 栄光への階段を進み始めた「レッドブルの町」

ザルツブルク

オーストリア北西部にあるその町は、豊かな自然に囲まれ、今もなお中世の雰囲気を漂わせている世界遺産の町だ。ザルツブルク出身の著名人には、世界中誰もが知る天才音楽家モーツァルト、20世紀のクラシック界を支えた「楽団の帝王」として知られるヘルベルト・フォン・カラヤン、そして「ドップラー効果」でおなじみのクリスチャン・ドップラーがいる。

そんなザルツブルクは今、あの大手飲料メーカー「レッドブル」の町でもある。ザルツブルク国際空港に隣接する「レッドブル・ハンガー7」という巨大なミュージアムは、レッドブル社長のディートリッヒ・マテシッツ氏が設計から完成に4年を費やした、すべての芸術を融合させた現代のザルツブルクを象徴するような施設だ。

そんなザルツブルクに、今回紹介するチームがある。それこそがレッドブル・ザルツブルク。日本ではあの宮本恒靖や三都主アレサンドロが在籍していたクラブということでご存知の方も多いかもしれない。



そして、このチームは現在欧州中の注目を浴びている。リーグ独走はもちろん、今年初めに行われたプレシーズンマッチではあの欧州チャンピオンであるバイエルン相手に3-0の圧勝、そして残念ながらベスト16でバーゼルに敗れたものの、ヨーロッパリーグではグループステージ6戦全勝、決勝トーナメント1回戦ではアヤックス相手に2戦合計で6-1と内容でも結果でも圧倒したからだ。

このクラブの歴史は深く、1933年まで遡る。当時は「SVアウストリア・ザルツブルク」というクラブ名で戦っていた。クラブ発足後しばらくは目立った成績を残せず、2部への降格も数度経験したが、1990年代、特に1993-94シーズンにはチーム初のオーストリア・ブンデスリーガと国内カップ戦で優勝、UEFAカップ(当時)の決勝に進出するといった黄金期を迎えた。しかし1998年以降チームは低迷し、2005年にレッドブル社がチームを買収、「レッドブル・ザルツブルク」というチーム名に生まれ変わった。チーム買収の際には、レッドブルがチームカラーなどの伝統を守っていないとして、一部のサポーターにより「SVアウストリア・ザルツブルク」の名で新たなチームが発足するといったトラブルもあった(現在も存在している)。レッドブルの買収後、2005年からドイツの強豪バイエルン・ミュンヘンと提携を結び、バイエルンの選手が次々とチームに加入。2006年には監督にジョバンニ・トラパットーニ、コーチにローター・マテウスを迎え、選手の補強を積極的に行い(宮本や三都主もその1人)、2006-07シーズンに10年ぶりのリーグ優勝、その後もチームは常にリーグの最終順位で3位以下に落ちることなく、黄金期の再現が成されているといっていい。

現在のクラブを率いるのはドイツ人のロジャー・シュミット。現役時代からドイツの下部リーグを渡り歩き、なんと自動車部品メーカーでエンジニアとして働いていた経歴も持つ。そんな彼が監督として注目を浴びたのは11-12シーズン。当時ブンデスリーガ2部において降格候補とされていたSCパダーボーンの監督に就任したシュミットは、リーグの中でもとりわけ少ない予算の中、見事リーグ5位でフィニッシュ。これがザルツブルク首脳陣の目に留まり2012年7月、レッドブル・ザルツブルクの監督に就任した。就任1年目はザルツブルクと肩を並べる強豪であるFKアウストリア・ウィーンに優勝を明け渡したが、今季は2位以下を大きく引き離し、8節を残し6回目のリーグ優勝を決めた。

現在のチームを作っているのはシュミットだけではない。シュミットの監督就任と同時にラルフ・ラングニック、ジェラール・ウリエの2人がそれぞれSDとGSD(グローバル・スポーツ・ディレクター)に就任している。チーム体制では他の欧州の強豪クラブに引けを取らない。

では、ここでザルツブルクのチームについて見て行こう。このチームの戦術は基本的に4-2-2-2の形を取る。以下のような形だ。


この中でも特に目立つのがアラン、ソリアーノ、マネ、カンプルという前線の4人。今季はチーム全体のリーグ得点数が実に110に上った。この110という数字がいかに圧倒的かというと、リーグ2位の得点数を誇ったラピド・ウィーンで63である。オーストリア・ブンデスリーガは年間36試合が行われるため、1試合平均のゴール数は3を上回るのだ。

これほどのゴールを量産しているのには、もちろん理由がある。ドルトムントのサッカーを思い出して欲しい。彼らはいわゆる“ゲーゲンプレッシング”を仕掛け、高い位置からのショートカウンターを持ち味とするが、ザルツブルクの戦術もドルトムントのこのスタイルに近い。ボールを奪われたらそれが相手のディフェンスラインでのボール回しであろうが何だろうが、とにかくリトリートすることなく前線の4人が全速力でプレスをかけに行く。バイエルンとの親善試合ではソリアーノと、この日アランに代わって先発出場していたロベルト・ズリの積極的なプレスに対して、バイエルンのセンターバック、特にダンテは苦労を強いられていた。またカンプルは、右サイドだけでなく、中央のエリアにもプレスをかけに積極的に移動していた。バイエルン戦ではボールを奪うと一気に縦に長く、速いボールをスピードのあるマネに送り得点やPK獲得に繋げていたが、これは攻守の切り替えがとても速いバイエルン相手にとても効果的だったといのえる。もちろん相手によってショートカウンターの方法は変化するが、どの場合においてもカンプルが起点になったり、ラストパサーになったりすることが多々見受けられる。ケヴィン・カンプルという若干23歳のスロベニア代表プレーヤーはチームに献身的であり、核となっているのである。

ケヴィン・カンプル


さて、そんなザルツブルクだが、来季はそう簡単に今季以上の成績を残すことはできないだろう。なぜならロジャー・シュミット監督がドイツの強豪、バイヤー・レヴァークーゼンの監督に就任するからだ。さらに、左サイドバックとしておよそ5年チームを支えてきたドゥシャン・シュベントがドイツのケルンに移籍することも決定している。この他にも、エースのソリアーノやカンプルにもイングランド方面からの興味が噂されており、大きな戦力ダウンとなる可能性もある。

ザルツブルクはシュミットの後任として、選手としてはザルツブルクで1990年代の黄金期を支え、監督としては予算規模がとても小さいグレディグというクラブを率い、就任1年目でチームを1部に昇格させ、2年目の今季はリーグ3位に躍進させた44歳のアディ・ヒュッター監督の就任を発表した。もちろん国内リーグの優勝候補の最右翼ではあるが、欧州の舞台では来季もCLの予選から参加する。プレーオフまで勝ち進むと各国の強豪を相手にすることになるが、果たして本選出場は叶うだろうか。

来季もまた欧州で名を轟かせてくれることを期待している。

2014年3月29日土曜日

ライブレポート! HighApps Special スリー ツー ワン! SPRING Rock Partyパート1


どうも

え~、今回はいつもおはちょっと趣向を変えて、人生初! ライブレポートというものをやってみたいと思います。

理由といたしましては、とにかくこのライブが最高だったこと、それだけです。

さて、初めてとなるライブレポートですが、どのライブをレポートしていくかというと、3月21日に開催された
「HighApps Special スリー ツー ワン! SPRING Rock Party」です!

ライブの概要とかは↓コチラから
http://highapps.jp/special/vol18/about/

今回のライブにはDJも含めて計15組ものアーティストが新木場STUDIO COASTに集結しました。

そんな中で、今回は僕が見てきた8組のアーティストのライブを振り返りたいと思います。
アーティスト紹介用にMVも貼っておきますので、よければこちらもご覧ください。

まずは、第1弾といたしまして、前半の4人を紹介したいと思います。

なお、ライブの写真などは著作権の関係上ないので、そこはご了承ください。



1.The fin.

まずはオープニングアクト。メインステージ的な位置づけであるHighステージに現れたのはThe fin.。まだ彼らが現れた時は、多くの人が入場できていなかったのでHighステージは閑散とした状態。たまたまいい番号だった僕はスタートからThe fin.を見ることが出来ました。実はちゃんとThe fin.の曲を聴くのは今回が初めてでして、どんなアーティストなんだろうかという期待を持ちながら見ていたのですが、1曲目の「Circle On The Snows」でこのバンドが期待をはるかに上回ってくるバンドだとわかりました。まさか日本にこの音楽を奏でられるバンドが存在するとは思っていませんでした。洋楽チックな邦ロックバンドは数多く存在しますが、これほどまでに洋楽寄りな、というよりほとんど洋楽を聴いてるような気分になるバンドは中々いません。それを新人の彼らがやってしまうのだから驚き。今回はオープニングアクトということで3曲のみのアクトでしたが、インパクトは十分に与えてくれました。The fin.という名前を覚えておいて損はないと思います。

ではでは、そんなThe fin.が3月19日にリリースした初の全国流通盤である「Growing Red On The Shore EP」から、「Faded Light」をどうぞ。







2.THE ORAL CIGARETTES

そしてここからいよいよ本編スタート。まずHighステージに登場したのはTHE ORAL CIGARETTES。「(ライブ)始めたら終わってまうやん」とVo&Gtの山中さんが言いつつも、「逆恨み小僧」からTHE ORAL CIGARETTESの“HighApps乗っ取り”がスタート。実は、山中さんは前日にこんなことを↓

というワケで、去年8月にリリースされた「オレンジの抜け殻、私が生きたアイの証」に収録された曲を中心に、「N.I.R.A」や「大魔王参上」といったライブの定番ナンバーも織り交ぜ、最後は山中さんが常々“最大のキラーチューン”と称する「Mr.ファントム」で乗っ取り完了。ライブ終了後僕が感じたのは、少なくとも僕の心は乗っ取られたな、ということです。音源とライブでは感じ取れるカッコよさや美しさは全く違うけれども、THE ORAL CIGARETTESに関してはそれが特に感じられました。要は、このバンドは完全にライブバンドだということです。今まで、好きなバンドを10組ぐらい挙げてみろと言われてもTHE ORAL CIGARETTESの名前は挙げてこなかったですが、今回のライブを体験したことで、今後は好きなバンド10組の中に確実に入ってくることになるでしょう。「いつかワンマンライブでこの新木場に戻ってきたい」と山中さんは話していました。その時が来たら絶対参戦させてもらいますよ!

では、THE ORAL CIGARETTESからは“最大のキラーチューン”こと、「Mr.ファントム」のMVをどうぞ。






3.kidori kidori

次は個人的に一番といっていい程楽しみにしていたkidori kidori。ここ1ヶ月、色々なことが起きましたが今回のHighAppsには元気な姿を見せてくれました。ステージに最終チェックをしに来た時にサプライズ。今回のライブまでンヌゥさんの代役となるサポートベーシストのことについては何も発表がありませんでした。そしてステージにベースを持ってやってきた人を見てビックリ。なんとandymoriのベーシスト、藤原さんでした。さて、ライブの方はというと、「You Will Realize」からスタートし、「HHH」へ。その後、“大事な友達”へ「This Ocean Is Killing Me」をVo&Gtのマッシュさんが捧げると、思わずいろいろなものがこみ上げてきそうになりました。そしてMC中にもちょっとしたサプライズが。このライブ終了後に物販コーナーで会場限定シングル「El Negro」を発売すると発表され、その「El Negro」の表題曲である「Mass Murder」を披露。新たなkidori kidoriの船出を象徴するような曲に感じられました。その後は「Watch Out!!!」、「Say Hallo!(I'm not a slave)」、最後に「NUKE?」とアップテンポな3曲を披露して終了。ライブ終了後はもちろん物販コーナーに直行し、「El Negro」を購入&Drで物販担当の川元さんとも少しお話しできました。今回、kidori kidoriの新たな出発の習慣を目撃できたことは、本当に良かったです。

では、kidori kidoriの最新曲「Mass Murder」のMVをご覧ください。






4.Predawn

kidori kidoriの物販に並んでいると、外のAppsステージから美しい、小鳥のさえずりのような歌声が。Predawnのステージが始まっていました。僕も物販を済ませると、すぐにAppsステージへ。外は強風が吹き荒れていて、Predanも、サポートの方々も演奏しづらそうにしていました。結局きちんと最初から最後まで聞けた局は3曲ほどでしたが、「Keep Silence」と「Suddenly」ぐらいしか彼女の曲を聴いたことのなかった僕でも彼女の世界に引き込まれていきました。MCでは「おひがーん!!」と3月21日らしい叫びも。そんな叫びも彼女らしい、ゆるふわな感じがして可愛かったです(笑) 実はこの前、Predawnは珍しいプラネタリウムでのライブを敢行したのですが、何となくその理由がわかるような、そんなライブでした。ぜひ1度ワンマンライブにも行ってみたいものです。

では、そんなPredawnの代表曲である「Keep Silence」をどうぞ。






というワケで、第1弾をお届けしてまいりましたが、いかがでしたか?
第2弾もとても強力なラインナップとなっていますので、是非ご期待ください!

2013年10月29日火曜日

Diário de Sauber 更新一時停止のお知らせ

どうも。

突然ですが、タイトルにある通り当ブログの更新を一時停止させていただきます。

私が受験生ということもあり、勉強に励まなければならない状態であることから今回のような判断となりました。

恐らく受験が終わる2月中旬~3月初旬にはまた新しい記事をお届けできると思います。

無事志望大学に合格してここに戻ってこれたら幸いです。

TwitterやGoogle+では出没頻度こそ減りますが、時々呟いているので質問等ありましたらTwitterもしくはGoogle+の方へよろしくお願いいたします。

では、また約3か月後までさようなら!


2013年9月28日土曜日

欧州サッカー特集⑤ スティーブ・クラーク勝負の1年 “ルカク抜き”でどこまで戦えるか


どうも。

まず、皆さんにお知らせがあります。

これまでは欧州サッカー“批評”としてお送りしてきたこのコーナーですが、第1弾のスポルティング編以外とても批評とは呼べないものとなっているので、今回からは欧州サッカー“特集”としてお送りしていきたいと思います。

何卒よろしくお願いいたしますm(__)m




では欧州サッカー“特集”の第5弾といたしまして、昨シーズンのプレミアリーグで大躍進を遂げたウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンを特集したいと思います。



ウェストブロム、通称バギーズといえば、10-11シーズンにプレミアリーグに復帰して以降、ずっと残留を第一目標に戦ってきたチーム。

しかし12-13シーズン、イングランド代表監督に就任したロイ・ホジソンの代わりに新たにバギーズの監督に就任したスティーブ・クラークのもとチームは序盤から快進撃を続け、最終的には勝ち点49の8位でフィニッシュ。監督1年目のクラークにしては上出来だった。

しかし、今シーズンは事情が違う。




①今シーズンは“ルカク抜き”


12-13シーズンのバギーズの躍進を支えたのがチェルシーからローン移籍していたロメウ・ルカク。

ロメウ・ルカク

開幕節でいきなりゴールを決めると、最終的には17ゴールを挙げ、チーム内ならず、イングランド中からの注目を浴びた。

そんなルカクだが、シーズン終了とともにローン元のチェルシーに帰ると、今度はエヴァートンへと再びローン移籍した。つまり、今シーズンのバギーズはルカク抜きで戦わなけれならないという厳しい状況を迎えていたのである。

さすがに攻撃陣の補強は急務となり、プレミアリーグ開幕前に実績十分のニコラ・アネルカ、そしてウディネーゼからローンでマチェイ・ヴィドラという若いストライカーを獲得すると、プレミアリーグ開幕節のサウサンプトン戦に0-1で敗戦後、すぐさまマンチェスター・シティからスコット・シンクレアをローンで獲得。攻撃陣の強化を図った。

      左:アネルカ
     右上:シンクレア
 右下:ヴィドラ




②移籍市場最終日にテコ入れ


しかし、それでも第2節のエヴァートン戦、そして第3節のスウォンジー戦と、点が全く取れずに得た勝ち点はわずか1。この時点で最下位となってしまう。

アネルカとシンクレアも連携面の問題でチームに未だ馴染めず、苦しい状況だった。

そこで、移籍市場最終日の9月2日。バギーズのフロント陣は攻撃陣の大補強を敢行した。

獲得した選手は3人。エヴァートンからビクター・アニチェベ、サンダーランドからステファン・セセニョンをそれぞれ完全移籍で、そしてマルセイユからモーガン・アマルフィターノをローンで獲得。同時に移籍のうわさが絶えなかったピーター・オデムウィンギーを放出したものの、単純な攻撃陣の層としては昨シーズンを大幅に上回る結果となった。

上からアニチェベ、セセニョン、アマルフィターノ




③大補強が徐々に実を結ぶ


そんな“大補強”を敢行したバギーズは、代表ウィーク明けにクレーヴン・コテージで行われたフルアム戦で早速アマルフィターノとアニチェベを起用。なんとか終盤にシーズン初ゴールをマコーリーが奪い勝ち点1を獲得した。


そして遂に9月21日、ザ・ホーソンズで行われたサンダーランド戦で補強が実を結ぶ。

20分、アマルフィターノの正確なクロスにシンクレアが合わせるもこれはキーパーの正面。しかし、そのこぼれ球をセセニョンが押し込み、新戦力3人で先制点を奪った。

さらに76分、アマルフィターノのクロスをキーパーが弾くと、今度は左サイドバックの位置から上がってきたリッジウェルが押し込み2-0。バギーズの攻撃陣が遂に目を覚ました。

そして後半アディショナルタイム、途中出場のアニチェベのパスを受けたアマルフィターノが右足を振りぬき3点目。新戦力がそれぞれ活躍を見せ、見事勝ち点3を獲得した。



この試合がバギーズにとっての開幕節といっていいだろう。




④守備は昨シーズンと同様の布陣で


攻撃陣の大型補強が注目されがちだが、今シーズンのバギーズは昨シーズンから進化した守備もまた見ることができるだろう。

ジョーンズ、マコーリー、オルソン、リッジウェルという経験豊富な4人が12-13シーズン同様に今シーズンもバギーズのバックラインを形成する。12-13シーズンは失点が多かったが、今シーズンは開幕5試合で4失点と不安は払拭されつつある。4人の連携が深まっているのだ。

更に、今年はバックアップ要因としてパリ・サンジェルマンからウルグアイ代表DFディエゴ・ルガーノを獲得。そして、ディナモ・キエフから左サイドバックのゴラン・ポポフをローンで獲得したことで、守備陣の層も厚くなった。

今シーズンは、ぜひ安定した守備力にも注目してもらいたい。




⑤目標は12-13シーズン超え、そしてアウェー成績の改善


もちろん今シーズンのバギーズの目標は12-13シーズンの成績を上回ることだ。といっても、順位の面で7位以上を目指すというのはプレミアリーグという舞台において厳しい面がある。さらに、プレミアリーグの各チームは今シーズンも大胆な補強を行っているチームが多く、激戦となるのは必至だ。

なのでヨーロッパを目指すのは厳しい面があるが、12-13シーズンに獲得した49ポイントを上回ること、そして得失点もそれぞれ12-13シーズンから改善できれば上出来とみていいだろう。順位はその後だ。

そしてもう1つ改善すべき点がある。それはアウェーでの成績だ。

12-13シーズンのバギーズのアウェーでの成績は5勝3分11敗と極端に悪かった。ここを改善していかないとバギーズの成績は一向に上がらないだろう。アウェーでの敗戦数を6~8に留めることができれば間違いなく順位は良くなる。






と、ここまで今シーズンのバギーズについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
残念ながらキャピタル・ワン・カップは敗退してしまいましたが、大型補強したクラブはチームが1つにまとまってからが勝負ですから、これからといったところですね。

現在14位、サンダーランドに勝利した勢いでどこまで順位を上げてフィニッシュするかは見ものです!