2013年6月4日火曜日

勝手にサッカー批評③ ポルトガルに”セルビア旋風”到来の可能性

来季のポルトガル、リーガ・ゾン・サグレスは”セルビア旋風”が吹き荒れるかもしれない。

今、ベンフィカがチームのセルビア化を進めている。

ベンフィカは来季に向けてアヤックスからFWミラレム・スレイマニ、ヘーレーフェーンからMFフィリップ・ジュリチッチ、セルビアのパルチザンからFWラザール・マルコビッチ、そしてベルギーのコルトレイクからDFステファン・ミトロビッチをそれぞれ獲得しているが、彼らはいずれもセルビア人プレイヤーだ。(ベンフィカはもう1人、パラグアイ人ウィンガーのロジャスも獲得している。)
                
                        
                           

上からスレイマニ、ジュリチッチ、マルコビッチ、ミトロビッチ
            

ベンフィカには今季大ブレークしたマティッチを含め、来季は少なくとも5人のセルビア人プレイヤーが所属することになる(マティッチには移籍の噂もあるが)。
マティッチ

・ベンフィカがセルビア人を狙う理由

では、これまでベンフィカも含めポルトガルのクラブは南米から多くの選手を連れてきていたが、なぜ今年のベンフィカはセルビア人を多く獲るのか?

それには当然マティッチの活躍というものがあるだろう。もしジェズス監督がマティッチを中心としたチーム作りを考えているとすると、彼(マティッチ)と同郷であるセルビア人プレイヤーを連れてきて、チームを変えようとしていると考えるのが妥当だろう。当然同郷のチームメイトがいるといないとでは選手の精神的な面で大きな差が出てくる。

ただし、新たにやってきた4人のセルビア人プレイヤーも簡単にポジションを奪えるわけではない。
今のベンフィカはスタメンのクオリティがとても高く、特に2列目はペレス、ガイタン、サルビオ、ジョンなどトップクラスのプレイヤーがズラリと並ぶ布陣だ。スレイマニとジュリチッチが苦労する可能性は高い。一方でマルコビッチ、ミトロビッチはカルドソ、ガライが移籍するようなことがあればチャンスはある。


・ポルトガルリーグの特徴とは一味違ったサッカーをする可能性も

ポルトガルリーグの特徴というのは、若い南米系の選手を中心に個人技を主体としたサッカーをするチームが多いのだが(最近はそのようなクラブが減りつつある)、これだけのセルビア人が加入したのだからこのスタイルとは全く違うサッカーをするのであろう。これまでもジェズスは南米系の若手を使いつつも華麗なパスサッカーを展開してきたが、その戦術をさらに磨き上げるべく今回の補強に踏み切った可能性は十分にある。


・彼らによってタイトルは取れるのか

今季のベンフィカはリーガ2位、ポルトガルカップは準優勝、ELも準優勝と見事なまでに"シルバーコレクター"となったが、新たな戦力は"イーグルス"にタイトルをもたらしてくれるのだろうか?

これは十分考えられる話だろう。セルビア人達のチームワークによりこのチームはかなり強化される可能性を大いに秘めている。来季はポルトの戦力低下も考えられるので、来季こそはタイトルを獲得してくれるはずだ。


・カギは"スレイマニ再生"

ベンフィカのセルビア化のカギとなるポイントは、ズバリ"スレイマニ再生"だ。彼はまだ24歳と若いが、ヘーレーフェーン時代やアヤックス初年度のような輝きは今の彼には無い。そんな彼をどこまで再生させることができるのか。これはベンフィカのチーム自体に大きな影響を与えかねないことなのである。




これでベンフィカのセルビア化についてわかってもらえただろうか。
もしかしたらこのセルビア人による"ベンフィカ革命"がポルトガルの個人主義サッカーを全体主義サッカーに変える可能性もあるので、来季のベンフィカには是非注目してもらいたい。



憶測ばかりになってしまいすみませんでした。
勝手にサッカー批評③、これにて終了です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。